
保身 積水ハウス、クーデターの深層 (角川書店単行本)
藤岡 雅
KADOKAWA / 2021-05-28
この本について
仕事をしていると、「この判断、本当に大丈夫なんだろうか」とか、「上が言うからやるしかないけど、どこまで自分で確かめるべきなのか」という迷いって、結構つきまといます。自分の裁量を信じたいけど、組織の空気や“必須案件”みたいな圧力の前では、慎重さよりスピードが優先されてしまう瞬間もありますよね。 『保身』は、一見すると企業不祥事の内幕を追ったノンフィクションなんですが、読んでいるうちに「これは自分の職場でも起こり得る話だな」と妙に胸がざわつきました。たとえば、トップの一言が現場の判断を奪っていくプロセスや、責任を取るべき人が取らず、現場だけが消耗していく空気。こういう構造が積み重なると、誰も動かなくなる。そんな流れがとても具体的に描かれています。また、ガバナンスって結局何なのか、内部統制とどう違うのかといった話が、事件の実例とセットで語られるので、抽象論とは違う“現場で感じるリアリティ”として入ってきます。 読んでいると、組織の中で迷いながら働く自分の姿と、登場人物たちが重なってくる瞬間が何度もありました。「どう動けばよかったのか」を一方的に断じる本ではなく、判断の揺らぎや葛藤ごと描いてくれるので、仕事の進め方を少し客観的に見直すきっかけになります。 組織の力学に振り回されがちな人に、静かに響く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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