
日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年 (文春新書)
井上 久男
文藝春秋 / 2019-02-20
この本について
仕事の場で、自分の意見がまともに扱われないとか、上層部の判断が現場の感覚とズレている気がするとか、そういう小さなモヤモヤって積み重なるとけっこうしんどいですよね。自分の努力や知恵より、“外から来た誰かの机上の方針”が優先される感じに覚えがある人も多いと思います。 『日産vs.ゴーン』を読んで印象的だったのは、そうした現場の空気がどれだけ組織をゆがめるかが、具体的な事例として淡々と描かれているところです。過剰なコスト削減で疲れ切っていく職場、意見を言う人ほど外されていく構図、気づけば「声の大きい少数」が意思決定を握り、正しいと思っても誰も止められなくなる流れ。歴史の話なんですけど、他人事として読み流せない生々しさがあります。 とはいえ、この本が“教訓めいた答え”を押しつけてくるわけではなくて、むしろ「組織ってこうして揺らぐよね」という現実を見せてくれる感じに近いです。だからこそ、自分の職場で起きている小さな違和感を整理するきっかけになるし、「あの時、なぜあの判断になったのか」を少し客観的に考えられるようになると思います。個人的には、意見を言いづらい空気がどう積み上がるかを知れたことで、自分の立ち回りも変わりました。 上司の判断に少しでも疑問を抱いた経験がある人、組織の空気の作られ方に興味がある人には特に刺さる一冊だと思います。
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