
実務で使える 戦略の教科書 (日本経済新聞出版)
今枝昌宏
日経BP / 2018-09-14
この本について
仕事で「戦略的に考えろ」と言われても、そもそも何をどう選ぶことが“戦略”なのか、もやっとしたまま動いてしまうことがよくあります。あれも必要そう、これも大事そう…と手を広げた結果、目的に直結していない作業に時間を吸われる感じ、僕自身もしょっちゅうあります。 この本が効くのは、戦略を“かっこいい言葉”ではなく、目的に直結する手段を選び、他を捨てる作業として説明しているところです。市場をどう切り分けるか、どこに資源を入れるか、逆に引くべきか。その判断を現実の事例や仕組みで説明してくれるので、机上の理論のままで終わりません。例えば、市場の成長段階によって投資か回収かの姿勢が変わることや、用途や使用場面で市場を再定義すると収益源が見えてくる話は、日々の仕事にそのまま持ち込める感覚があります。 もうひとつ良かったのは、「資源は無限じゃない」という前提が一貫しているところです。お金を増やせば調達コストは上がり、人を増やせば能力のばらつきが広がり、自分の時間を増やせば何かを犠牲にする。その現実を踏まえたうえで、どこに集中すべきかを考える視点が、変に勇ましくなくて現場向きなんですよね。 自分の事業や担当領域を“どの市場として見るか”でいつも悩む人ほど刺さると思います。僕もそうですが、答えよりまず視点が整うタイプの本です。
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