
教養としての認知科学
鈴木宏昭
この本について
仕事でも日常でも、「なぜうまく伝わらないんだろう」「同じことを覚えているはずなのに、解釈が食い違うのはなぜなんだろう」と感じることがよくあります。努力とか才能とかのせいにしてしまいがちですが、もう少し根っこにある“仕組み”を知りたいと思ったのが、この本を手に取ったきっかけでした。 読んでみて意外だったのは、認知科学が“知力”みたいな曖昧な能力を前提にしていないことです。情報を受け取り、処理し、相互作用するシステムとして人や組織を見る。それだけで、目の前の行き違いが「相性」や「コミュ力」の問題ではなく、共通言語の欠如だったり、モダリティの違いだったりと、具体的な原因に分解されていく感覚がありました。対連合の話もそうで、ただ覚えようとするより、関係をつくっていく方が記憶に残りやすいという指摘は、実務のメモや学習の仕方を直接変えてくれました。 また、「知性は人間だけのものではない」という視点も、仕事でチームやツールとどう付き合うかを考えるうえで効いてきます。生物学的シフトの話を知ると、自分が属する組織も一つの知的システムとして見えてきて、過度な自己責任感から少し距離を取れるところがありました。 自分の思考のクセや、他人とのすれ違いの“理由”を丁寧に言語化したい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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