
韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩 (講談社現代新書)
金敬哲
講談社 / 2019-11-13
この本について
仕事でも生活でも「なんでこんなに余裕がないんだろう」と思うことが増えていて、自分の努力だけではどうにもならない壁にぶつかる感覚を抱える人は多い気がします。頑張っているつもりなのに水位だけが上がっていくような、あのどうしようもない息苦しさです。そんなときにこの本を読むと、自分の問題だと思っていたものの背景に、社会の構造そのものがあるという視点が持てます。 韓国の「圧縮成長」がどんな歪みを生んだのか、そしてその歪みがなぜ中年の自営業者や若い世代の「N放」につながっていくのか。抜粋にもあるように、国全体が急成長した裏側では、労働市場の硬直や社会保障の薄さによって、普通に生きようとする人たちがどんどん追い詰められていった過程が丁寧に描かれています。これを知ると、個人の努力論だけでは説明できない現実の重さが見えてきますし、同時に自分の状況を少し客観的に置き直せます。 読んでいて一番効いたのは、「一握りの勝ち組とその他」という分断の構図を、韓国の話として読むことで、日本で感じている閉塞感の正体も照らされるところです。社会がどう変わっているのかを知るだけでも、自分の進み方を選ぶときの基準が少し変わるはずです。 こんな人に刺さると思います。努力不足と言われ続ける空気に、どこか納得できないまま働いている人。
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