
上級国民/下級国民(小学館新書)
橘玲
小学館 / 2019-08-06
この本について
働いていると、「自分の選択ってそんなに間違っていたのか」とか、「努力じゃどうにもならない壁がある気がする」と立ち止まる瞬間がけっこうあります。会社選びも転職も、景気や制度の波に巻き込まれると、自分の意思より“運”の影響のほうが大きいんじゃないか……そんな感覚を持っている方は多いと思います。僕自身もそうで、職場の事情や世代間の力学に振り回されてきたタイプです。 『上級国民/下級国民』は、そのモヤモヤを「気のせい」で終わらせず、背景にある仕組みとして説明してくれる一冊でした。たとえば、新卒の採用環境ひとつでキャリアの選択肢が縮むことや、会社に入ってからも業績という運に左右されやすいこと。あるいは、日本的な雇用が中高年の既得権を守る構造で、そのツケを若い世代が払ってきたこと。どれも個人の努力論では片づけられないリアルな話として腑に落ちます。 読んだからといって急に人生がひらけるわけではないけれど、自分のせいだけではなかった部分が整理されると、次の選択で「どこに力をかけるべきか」が少しだけ見えるようになる感じがあります。制度や構造の話が多いのに、日々の仕事や将来の不安と直結して考えられるのが、この本のいちばんの価値だと思います。 いまの働き方にどこか納得いかず、「でも感情だけでは説明しきれない」と感じている方に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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