
感染症対人類の世界史 (ポプラ新書)
池上彰 and 増田ユリヤ
ポプラ社 / 2020-05-11
この本について
人と人との距離が戻ってきた今でも、ふとした瞬間に「社会ってこんなに揺れやすかったっけ」と不安になることがあります。何か起きると、空気がざわついて、誰かを悪者にしたくなる感じも含めて、自分もその波に巻き込まれそうになる。そういう揺らぎをどう扱えばいいのか、ずっと考えていました。 『感染症対人類の世界史』を読むと、そのモヤモヤが少し落ち着きます。歴史を振り返ると、感染症が出るたびに人々の不安も権力も社会制度も揺さぶられてきたことが、具体的な場面で語られています。例えば、疫病がきっかけで荘園が生まれ、武士が登場する流れや、ペニシリンの発見が偶然の失敗から始まった話など、「混乱の中で社会はどう動くのか」の実例が淡々と並んでいく。読んでいると、今の混乱も過去の延長線上にあるだけで、何も特別じゃないと思えてきます。 もう一つ刺さったのは、感染症の流行期には“よそ者への疑い”が必ず強まってきたという指摘です。科学的な事実を見ずに感情で動くと、簡単に間違える。自分も気をつけないといけないな、と静かに背筋が伸びました。 歴史の大きな話を扱いながら、結局は「自分はどう現実を見るのか」を考えさせられる本です。不安や分断の空気に疲れつつ、「もう少し広い視点がほしい」と感じている人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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