
日本古典と感染症 (角川ソフィア文庫)
ロバート キャンベル
この本について
日常に戻ったはずなのに、どこかでまだ「いつまた何か起きるんだろう」と落ち着かない感じってありませんか。ニュースを見るたびに不安がよみがえるし、歴史を振り返ると言っても、どこから触れていいのかよくわからない。そんなモヤモヤのまま過ごしてしまうことが多い気がします。 『日本古典と感染症』を読むと、その不安が消えるわけではないけれど、少し呼吸がしやすくなる感覚がありました。昔の人たちも病の正体を知らず、ただ「噂」を聞いて動いたり、冗談めかして恐怖をやわらげたり、祈りや疎開でやり過ごしたりしていた。それでも社会は続いていく。その姿が、今の私たちの迷い方とほとんど変わらないんですよね。さらに、疫病が人の心や物語の動きをどう変えたのかという視点が、とても静かに効いてきます。病が物語を突き動かす契機になったり、作り手を執筆へ向かわせたりするという説明は、自分の「感じ方」まで整理してくれる感じがありました。 歴史を知るというより、「不確かな時代に人はどう振る舞ってきたか」を覗くことで、今の自分の身の置きどころが少しだけ見える。そんな読み心地です。日々の不安を無理に前向きへ変えようとしない人、ただ落ち着いて事実を受け取りたい人には、特にしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの65%が集中しています。
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