
猫のお告げは樹の下で (宝島社文庫)
青山美智子
宝島社 / 2020-06
この本について
最近、何を選べばいいのかも、自分がどこに立っているのかもよくわからなくなることがあります。前に進まないといけない気はするのに、目的地だけ探して空回りしてしまうあの感じ。僕も同じで、そんなときはだいたい「今の自分」をまともに見れていないだけなんですよね。 『猫のお告げは樹の下で』は、いわゆる“答えが書いてある本”ではありません。むしろ、読んでいるうちに「急いで答えを出さなくていいのかもしれない」と肩の力が抜けていくタイプの物語です。登場人物たちが迷いながらも、自分のペースで現在地を確かめていく姿がそのまま鏡みたいに作用します。たとえば、嫌なことを無理に抱え込まず「どうでもいいから忘れる」と切り離す感覚や、雨をただの不運ではなく「自分が勝手に受け取った恵み」として扱う視点の転換。あるいは、誰かに“した善行”ではなく、“自分が感じた感謝”を記録していくという行動の変化。どれも小さく見えて、実は日常の流れを静かに変えてくれる要素ばかりです。 自分の歩幅のままでいいのか迷っている人、目的地よりも現在地を知る方が難しいと感じている人には、とくに刺さると思います。物語として楽しめるのはもちろんですが、読後にふと自分の暮らしに戻ったとき、少しだけ景色がやわらかくなるような本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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