
新・韓国現代史 (岩波新書)
文 京洙
岩波書店 / 2015-12-25
この本について
歴史の本を読むとき、「結局どこが今につながってるのか」が見えなくて途中で迷子になることが多いんですが、この本を読んでいる人の抜粋を見る限り、みなさんが引っかかっているのは“南北の対立がどう感情として根づいてしまったのか”という部分なんだと思います。制度や国際政治だけでは説明できない、生活者レベルの痛みや偏りが積み重なっていく感じです。 『新・韓国現代史』は、そのモヤモヤに対して「なぜここまでこじれたのか」を情緒のレベルまで下りて描いてくれます。たとえば、戦争が生んだトラウマが反共主義の土台になっていく流れや、“暴徒の家族”と烙印を押された人たちが社会の中でどう生きざるをえなかったのか。それを知ると、単純な善悪の枠では捉えられない複雑さが見えてきます。また、米軍政・親日派・左派・右派が入り乱れる権力構造を丁寧に追うことで、「なぜ民主化以前の韓国があれほど硬直したのか」も腑に落ちてきます。 歴史に距離を感じてしまう人でも、この本は“その場にいた人の息づかい”がわかるので、読み進めるほど自分の中の固定観念が少しずつ揺らぎます。韓国社会の現在の議論を表面的に追うだけではしっくりこなかった人に、とくに刺さると思います。今のニュースの背景を知りたい、というより「なぜ人はここまで分断されてしまうのか」を落ち着いて理解したい時に役立つ一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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