
性(セックス)と宗教 (講談社現代新書)
島田裕巳
講談社 / 2022-01-19
この本について
性にまつわる話って、どこかで「本音では興味があるのに、どう扱えばいいのかよく分からない」というモヤモヤがつきまといます。欲望そのものは日常にあり続けるのに、それを語ろうとすると急に空気が変わる感じ。自分でも持てあましている感覚があるのに、正面から考える機会は少ないんですよね。 『性(セックス)と宗教』は、そのモヤモヤを一気に整理してくれる本でした。人間だけが発情期を持たないという生物学的な事実から、なぜ宗教が欲望を抑える仕組みをつくってきたのかまで、歴史と文化をまたぎながら淡々と説明してくれます。読んでいて驚くのは、宗教が「性を抑圧してきた」という単純な話ではなく、そもそも人間社会が壊れないようにどう折り合いをつけてきたのか、その知恵の積み重ねが浮かび上がるところです。原罪という考えがユダヤ教にはない、回心が性の目覚めと結びつくなど、知っているようで知らない視点が刺さります。 性に関する価値観が揺れがちな人ほど、この本は肩の力を抜いて読めると思います。欲望を否定も肯定もせず、「人間ってそもそもこういう存在なんだよな」と静かに腑に落ちる感覚がありました。自分の中の衝動とどう向き合えばいいのか足元から考えたい人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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