
N/A (文春e-book)
年森 瑛
この本について
気持ちがうまく言葉にならないときってありますよね。誰かに分かってほしいのに、説明できるほど整理できていなくて、結局「黙る」しかなくなる。私もそういう時期が長くて、感情が勝手にあふれて自分でも扱いきれない瞬間がいちばんしんどかったりします。 この本の抜粋を見ていると、まどかの「自分でもよく分からないまま揺れる感じ」が、そのままページから立ち上がってきます。自分の意思じゃ止められない涙とか、身体の周期に振り回される気分とか、うまく言えない好意や距離感とか。そういう、言葉にする前の“ぐしゃぐしゃ”が具体的に描かれていて、読んでいる側の記憶まで引っ張り出されるようなところがあります。 特に刺さるのは、自分の気持ちを守るために「多くの人が使う言葉」を借りてしまう場面。私もつい安全策をとって、本当に言いたかったことを薄めてしまうことがあって、読んでいて苦笑いみたいな、でもちょっと救われるような気持ちになりました。そして、流れに抗えずブロックを押してしまう瞬間の描写も、あの“言葉が出ないときの限界値”がやけにリアルです。 人間関係の曖昧さとか、身体と気分のズレとか、「正しい説明ができない自分」を抱えている人には特に響くと思います。大きな答えが示されるわけではないけれど、ああ、こういう揺れって誰にもあるんだなと、読み終わったあとに少し肩の力が抜ける一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
読書の順序
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