
変な絵
雨穴
双葉社 / 202401
この本について
仕事や人間関係で、相手の言葉より「その奥にある気持ち」が読めなくて迷うことってありませんか。表情も反応も普通なのに、どこか噛み合わない感じがして、こちらの想像だけが暴走していくようなあの感覚です。自分の中にある思い込みや、読み違えの怖さって、意外と自分では気づけないんですよね。 雨穴さんの『変な絵』を読んでいると、そのズレが物語として立ち上がってきて、ちょっとドキッとしました。子どもが「実物」ではなく「頭に浮かんだイメージ」を描くように、大人でも自分の都合で世界を描き替えてしまうことがある。作中の人物が描く家や木の絵が、その人の心の形として浮かび上がってくる場面は、自分がふだん見落としている感情の影を照らされるようでした。母親への複雑な感情や、守りたいものと傷つけたいものが同居してしまう瞬間の描写も、どこか現実の延長線にあるようで読みながら胸がざわつきました。 ミステリーとしての仕掛けはもちろんあるのですが、それ以上に「人の心ってこんなふうにねじれてしまうのかもしれない」という実感が残る物語です。自分の解釈に自信が持てないときや、人との距離感がわからなくなるときに読むと、世界の見え方が少し変わると思います。 人の気持ちの“裏側”を想像しすぎて疲れてしまう人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの61%が集中しています。
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