
リボルバー (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎 / 2023-07-06
この本について
仕事でも日常でも、目の前の価値がよく分からなくなることってありませんか。自分が大事にしているものが他の人には伝わらなかったり、逆に他人の評価ばかり気にしてしまって動けなくなったり。僕自身もよくそこで立ち止まってしまいます。 『リボルバー』を読んで印象に残るのは、オークションハウスを「価値転換の箱」として描く視点でした。誰かにとってはがらくたでも、別の誰かには宝物になる。その当たり前のようで忘れがちな感覚を、物語の中で丁寧に見せてくれます。自分が抱えているものの価値を、他人の基準だけで測らなくてもいいのだと、少し肩の力が抜けました。 もう一つは、ゴッホとゴーギャンの生き方のとらえ方です。不遇という枠で語られがちな彼らが、本当に「不幸」だったのかという問いかけが続きます。経済的な苦労は確かにあったけれど、好きなように描き、新しい地平を切り開いた事実を見つめると、「幸せの基準」そのものが揺らぎます。子どものように描く喜びを丸ごと抱きしめることが、そんなに特別じゃなくてもいいんだと思える場面がいくつもあります。 自分の基準で生きたいけれど、どうしても他人の物差しが気になる人に静かに効いてくる本です。僕は読んでから、自分が大切にしたいものを即座に否定しなくなるという小さな変化がありました。そんな変化をゆっくり受け取りたい人に合うと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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