
今を生きる思想 ジョン・ロールズ 誰もが「生きづらくない社会」へ (講談社現代新書100)
玉手慎太郎
講談社 / 2024-04-18
この本について
仕事や生活の中で、「この制度って本当に公平なんだろうか」とか、「自分の努力不足なのか、構造の問題なのか」がよく分からなくなる時があります。誰かを責めたいわけじゃないけど、どこかでずっと引っかかっている感じです。僕自身、このモヤモヤを放置したまま動くのがしんどくなった時に、このロールズ解説書が少し呼吸をしやすくしてくれました。 刺さったのは、正義を“誰かの正しさ”で押し切るのでなく、「自分がどんな立場になるか分からない状態でも受け入れられるルールって何だろう」という問いを軸にしているところです。抽象的に聞こえますが、無知のヴェールの発想に触れると、ふだんの判断を支えている前提がスッと見直されていきます。また、自由や機会のような社会的基本財を具体的に挙げてくれるので、「どこから不公平が始まるのか」を自分の生活に当てはめながら考えやすいのも助かりました。さらに、自尊を社会がどう支えるかという話が、仕事や人間関係のしんどさとも妙に地続きで、他者との関係のつくり方を少し柔らかく見直すきっかけになります。 制度や正しさの話になるとつい黙り込んでしまう。でも、できれば自分の言葉で向き合いたい。そんな人にとって、無理なく一歩踏み込める入り口になる本だと思います。
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