
死んだ山田と教室
金子玲介
講談社 / 2024-05-15
この本について
最近、「自分の中身ってほんとは空っぽなんじゃないか」とか、「誰かとちゃんとつながれてる気がしない」とか、ふと立ち止まる瞬間があるんですよね。周りからどう見られてるかを気にして振る舞いを選んでしまうと、ときどき自分が何者なのか分からなくなる。表面的には笑えてても、内側ではずっとモヤモヤしてる、みたいな。 『死んだ山田と教室』は、そんな“空っぽ感”に触れたときの居心地の悪さを、妙にリアルに扱ってくれます。山田の「空っぽなんだよ」という告白に揺れるクラスメイトたちのやり取りは、正論で救い上げるんじゃなくて、ただ隣に立って一緒に悩んでくれる感じがあるんです。死んだはずの友だちと交わすくだらない会話も、夜の教室での告白も、全部が「人ってこんなふうに誰かに触れていくんだよな」と思い出させてくれる。 特に効いたのは、人との関係が“貸し借り”じゃなくていいと思い出させてくれるところと、意味のある人間なんて最初からいなくて、でも関わりのなかで満たされていく姿が丁寧に描かれているところ。こういう変化って、自分の生活にもそっと染みてくるんですよね。無理に強くならなくても、誰かとつながっている時間だけは嘘じゃないんだと思わせてくれます。 自分の「空っぽさ」とうまく付き合えずにいる人に、静かに刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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