
ナチュラルボーンチキン
金原ひとみ
河出書房新社 / 2024-10-03
この本について
仕事や人間関係で、なんとなく「正しさ」や「普通」に合わせて生きてしまうことってありますよね。気づけば昼休みの時間まで周りと揃えていて、自分が何を選びたいのかもう分からなくなる。あるいは、感情を揺らしたくなくて安全圏に閉じこもってしまったり、逆に人をラベルで判断する人に疲れてしまったり。私もそのあたりでよくつまずきます。 『ナチュラルボーンチキン』は、その迷いを強引に解決するタイプの本ではなくて、「ああ、みんなこんなふうに揺れてるんだ」と思わせてくれる小説です。たとえば、分からないものを分からないままにしておける人の余白とか、歳を重ねても新しい世界に飛び込んでいく人の軽やかさとか、正しさに固執しないで生きる姿勢が、物語のあちこちに自然に転がっている。読んでいると、自分の“何もなさ”に怯える気持ちや、慎重すぎて動けないところも、そんなに異常じゃないと思えてきます。 一番響いたのは、「怖いからやっておく」というあの感覚です。ワクワクではなく、臆病さの裏返しとしての一歩。それなら自分にもできそうだと思えたし、選択肢を小さく限定していたのは他でもない自分だったのかもしれないと気づかされました。 臆病さと慎重さの間でずっと立ち止まっている人に、じわっと効く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの12%が集中しています。
読書の順序
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