
ほんとうの会議 ネガティブ・ケイパビリティ実践法 (講談社現代新書)
帚木蓬生
講談社 / 2025-03-21
この本について
仕事でも家庭でも、話し合いがいつのまにか「結論を出す場」になってしまって、息苦しさを覚えることがあります。相手の言葉を聞きながらも、どこかで急いで理解しようとしていたり、自分の答えを用意してしまったり。そんなとき、対話そのものが形だけになっている気がして、僕自身よくモヤモヤしていました。 『ほんとうの会議』が面白いのは、この“結論に急ぐクセ”そのものをほぐしてくれるところです。不確かさに耐えるネガティブ・ケイパビリティや、意図的に「知ろうとしない」態度の話は、会議や相談の場面だけでなく、日常のコミュニケーションにそのまま持ち込めます。特に、自分の意見を押し付けずに、相手の言葉が他者に反復されることで意味が深まっていく場づくりの描写は、読んでいて妙に納得がいきました。 また、オープン・ダイアローグの「対話は手段ではなく目的」という考え方は、効率や成果に引っ張られがちな自分にとって、かなり視点を揺さぶられました。まとめず、評価しないことでかえって安心が生まれるというのも、実際の会議で試してみると確かに腑に落ちます。 結論を急がずに人と向き合いたいのに、つい急いでしまう人には静かに刺さる一冊だと思います。
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