
言葉と無意識 (講談社現代新書)
丸山圭三郎
講談社 / 1987-10-20
この本について
ふだん何気なく使っている言葉が、自分の考え方や感じ方そのものを形づくっているんじゃないか……と気づいたとき、妙な落ち着かなさが出てきます。あれ、これは自分の「本心」なのか、それとも言葉が先に枠をつくっていて、その上を歩かされているだけなのか、と。 『言葉と無意識』が面白いのは、このモヤモヤを正面から扱ってくれるところです。ソシュールのラング/ランガージュの話も、難解な理論というより「私たちはいつも言葉に“分けられながら”世界を見る存在なんだ」という実感に近い形で迫ってきます。意識にのぼらないレベルで、すでに私たちは世界を切り取ってしまっている。その構造に自覚的になることで、思考がひらく瞬間があるんですよね。 さらに、言葉だけでなく「身振り」や「身体」まで含めて、私たちが世界と関係をつくるプロセスを描いてくれるのも大きいです。言語か非言語か、理性か感情か、そういう分け方の手前に、もっと揺らいだ層がある。その存在を知ると、日常のコミュニケーションでも、自分の反応の奥にある“形になる前のもの”に気づきやすくなります。 言葉に振り回されている気がするけれど、言葉なしでは自分が立てない——そんな感覚を抱いたことがある人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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