
からだ・こころ・生命 (講談社学術文庫)
木村敏
講談社 / 2015-10-09
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分の感じ方ってどこまでが自分で、どこからが相手や環境の影響なんだろう」と迷う瞬間がありませんか。頭では割り切れないのに、身体は勝手に反応してしまう。主体性って結局なんなのか…と考え始めると、足元がふわっとするあの感じです。 木村敏さんの『からだ・こころ・生命』は、そのふわつきにいきなり答えを出す本ではありません。でも、「主体とは生きものと環境の接触そのもの」という視点を示されると、自分の考え方や状態が相手によって変わる理由が、少しだけ腑に落ちます。たとえば患者と医者のあいだに生まれる“共同の主体性”の話は、日常の会話や仕事の場でも同じことが起きていると気づかせてくれます。自分が弱いから揺れるんじゃなくて、そもそも“あいだ”で生きているから揺れるんだ、と捉え直せるのはけっこう救いでした。 もうひとつ、この本が効くのは「個としての自分」と「環境とつながる自分」の二重性を無理に統一しなくていい、と示してくれるところです。死をめぐる議論は重く見えるけれど、個の限界と他者との連帯が同時に存在する、という視点は、日々の決断や不安の扱い方にも静かに影響します。 自分の反応や揺れの正体を、もう少し丁寧に見たい人にはとても合う本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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