
合本 天皇と東大【文春e-Books】
立花隆
文藝春秋
この本について
最近、歴史を学び直そうとしても、「結局いまの社会とどうつながるのか」が見えにくくて手が止まることがあります。制度や思想の話も、現代のニュースと地続きだと頭ではわかっていても、具体的にどこがどう続いているのかとなると曖昧になりがちです。僕も同じで、なんとなく霧がかかったまま話を追っている感じがありました。 『天皇と東大』は、その霧がすっと晴れる瞬間が何度もある本でした。天皇制の成り立ちや、有司専制と官僚制の連続性、議会政治が根付かなかった理由など、いまにつながるポイントが具体的なエピソードで描かれています。東大という“場”を覗き窓にすることで、制度や価値観がどう輸入され、どこでねじれ、どんな人間たちが関わっていたかが立体的に見えてくるのが大きいです。また、お雇い外国人や医学教育の話のように、日本が近代化を「部分的にもぎ取ってきた」歴史の癖が描かれていて、現代の空気にも思い当たるところが多く、妙に背筋が伸びます。 通して読むと、過去を振り返るというより、「自分が立っている地面の作られ方を知る」感覚に近い本です。歴史に強い関心がなくても、いまの日本社会の成り立ちにモヤモヤを抱えている人には、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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