
フィンランド語は猫の言葉 (角川文庫)
稲垣 美晴
Nekono-kotoba-sha / 2008-04
この本について
最近、日常の小さな違和感をうまく言葉にできなくて、そのまま胸の中で放置してしまうことが多い気がします。世界の見え方を少し変えたいけれど、何を足せばいいのかもよく分からない。そんなときに読むと、肩の力が抜けるのが『フィンランド語は猫の言葉』でした。 この本は、何かを“学ぶ”というより、著者がフィンランドで過ごした時間の中で感じた戸惑いや笑い、文化のズレが、そのままこちらの息継ぎになるように伝わってきます。言語を覚えようとして豚の絵を持って買い物に行く話や、サウナが生活の中心にあること、気温を体感で当てる“マイナスごっこ”。どれも大きな主張ではないのに、読んでいると「世界ってこんなに違っていいんだな」と思えてきます。自分の基準がいつの間にか固まりすぎていたことに気づかされる感じがあります。 また、北へ行く人と南へ行く人という静かな対比や、雲や白樺に向けるまなざしの丁寧さも、心がざわつく日には効きました。生の派手さではなく、日々の景色の変化や、自分の感覚をもう一度信じてみること。そういうことを、押しつけずに思い出させてくれます。 日常のペースが速すぎて、自分の感じ方がどこかに置き去りになっている気がする人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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