
知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)
立花 隆
この本について
最近、情報に触れれば触れるほど「自分はいま何を信じて動いているんだろう」とモヤっとすることが増えてきました。仕事の判断も、人との距離感も、気づけばどこかの論理や空気に飲まれているだけなんじゃないか、と不安になることがあります。 立花隆『知の旅は終わらない』を読んで感じたのは、そのモヤモヤは“知識の量”ではなく、“自分の頭の使い方”の問題なのかもしれない、ということでした。立花さんはどんな思想にもハマらず、必要以上に尊敬せず、まず軽く触れてみる。そのうえで、自分の中に溜まった概念のどれを残し、どれを捨てるかをオッカムの剃刀で丁寧に仕分けしていく。そこに膨大な読書量があるというより、思考の姿勢の話なんですよね。 もう一つ刺さったのは、異なる文化にぶつかることで、自分の世界観をいったん壊す作業が必要だという話です。立花さん自身、ヨーロッパの議論文化や美術、キリスト教世界の厚みと出会って、自分の“当たり前”が通用しない感覚に何度も打ちのめされています。その姿が、迷いながらも自分の理解を更新しようとする僕らの姿と地続きで、変に構えていないのが読みやすいところです。 ひとつの論理体系に飲まれやすい人、視点を増やしたいのにどう動けばいいかわからない人には、静かに背中を押してくれる本だと思います。読書を「自分を作り直す作業」として捉えたいときにちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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