
大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起 (集英社新書)
吉見俊哉 and 苅谷剛彦
集英社 / 2020-01-22
この本について
仕事でも学びでも、「なんで日本はこんなに動きが鈍いんだろう」と思う瞬間が増えてきました。自分の努力とは別のところで、社会の仕組み自体が前に進みにくいのでは…という、説明しづらいモヤモヤです。 この本を読んで少し腑に落ちたのは、大学や企業、国家の成り立ちがいまの働き方や学び方と噛み合わなくなっているという指摘でした。たとえば、日本の雇用慣行が大学教育の設計そのものに深く結びついていたことや、大学が「知識を持つ場」ではなく「書いて考える力を育てる場」であるべきなのに、その基盤が弱体化している現実。自分が現場で感じていたズレの正体を、歴史と構造の視点から説明してくれます。 もう一つ大きかったのは、「大学は社会から逃げ場でなくなった」という話です。これは学生だけでなく、働く大人にも響くと思います。流動性が低い社会の中で、学び直しや立て直しの回路が細くなっている。だからこそ、一度立ち止まって自分の思考を自分の言葉で持ち直す行為の大事さが際立つのだと感じました。 社会の変化が自分のせいなのか構造のせいなのか、その境界がよく分からなくなっている人に刺さる本です。読みながら、自分が何に違和感を覚えていたのかを言語化しやすくなりました。
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