
センス・オブ・ワンダー(新潮文庫)
レイチェル・カーソン and 上遠恵子
新潮社 / 2001-07-01
この本について
子どもと接していると、「これって教えたほうがいいのかな」「自分が知らないことを聞かれたらどうしよう」と妙に気負ってしまうときがあります。仕事でも同じで、つい“正しい答え”を出すほうに意識が寄ってしまい、問いそのものを味わう余裕がなくなることがあるんですよね。 『センス・オブ・ワンダー』を読むと、その窮屈さが少しゆるみます。知らないと言えること、自分も一緒に驚いていいこと、感じることが知ることの前にあるという当たり前の順序が、丁寧に思い出される。答えを持っていなくても、「なんだろうね」と並んで立つ態度が、むしろ相手の好奇心を育てるんだと気づきます。また、子どもと自然を見に行く描写が多いのですが、それは親のためでもあって、しばらく使っていなかった感覚の回路がふっと開く瞬間が描かれています。大人になる過程で失われがちな“驚ける力”を、どう扱えばいいのかがとても現実的です。 読み終えると、無理して教えようとしなくても、ただ一緒に見つめるだけで十分なんだと思える。自然に触れる体験が、相手だけじゃなく自分の視野を静かに広げるんだと実感できる本です。完璧に答えを準備しようとして疲れている人に、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの42%が集中しています。
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