
養老孟司の人生論 (PHP文庫)
養老 孟司
PHP研究所 / 2023-01-31
この本について
仕事を続けていると、「この選択は正しかったのか」とか、「もっと自分に合う仕事があったんじゃないか」と、どうしても対象そのものばかり気になってしまう時があります。やってしまった選択の重さがずっと頭に残って、前に進んでいる感じがしない。自分もそういう時期が長くあって、この本を読んだときに少し肩の力が抜けました。 養老さんは、対象よりも“方法”を見るという考え方を何度も強調します。仕事そのものを選ぶんじゃなくて、どう向き合うかを選ぶ。そう聞くと抽象的に見えますが、「包丁の使い方」として学問を捉える話がやけに実感に残ります。対象が変わっても使えるやり方を持っていれば、環境に振り回されすぎない。あの仕事で失敗したとか、あの選択は間違いだったとか、そういう悔いがいつまでも自分を縛らなくなります。 もうひとつ、この本が静かに効いてくるのは、「中庸」にたどり着く難しさを認めているところです。極端な意見を理解できる人だけが真ん中に立てるという話は、SNSの空気に疲れている人なら思い当たるところがあるはずです。正しさを振りかざす前に、自分の見方の“方法”を整えるほうが先なんだと、穏やかに教えてくれます。 選択に振り回される感覚が続いている人、仕事をどう続ければいいか迷っている人には、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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