
野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫)
東畑 開人
文藝春秋 / 2023-09-05
この本について
仕事や人間関係で疲れてくると、「結局、何が正しいケアなんだろう」と迷うことが多くなります。怒りが出たり、落ち込んだり、前向きになれなかったり。そのたびに、自分の感じ方がおかしいのかと不安になる。でも、この本を読むと、そもそも“癒やし”にも“治し方”にも複数の物差しがあるんだと気づかされました。 特に刺さるのは、治療者がみんな違う価値観を抱え、それぞれの物差しに人を巻き込んでいくという視点です。つまり、心のケアって中立ではなく、生き方を再調整する営みなんだという説明がすっと入ってきます。また、「人を癒やすには、自分が傷ついた経験を避けて通れない」という感覚も、自分の弱さをどう扱うか迷っているときに救いになると思います。笑いが、逃避でも前向きの押し付けでもなく、苦しい場所に留まるための力になるという話も、実感としてわかる人は多いはずです。 個人的には、「同じ出来事でも、どの角度から見るかで全く別の物語になる」と示してくれるところが大きい。自分の今の状態も、誰かの枠組みではなく、自分の速度で組み直せばいいと感じられます。 自分のしんどさの理由がはっきりしないまま、それでも前に進まなきゃいけない人に特に届く本だと思います。
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多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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