
数学嫌いな人のための数学(新装版)
小室 直樹
東洋経済新報社 / 2023-11-22
この本について
仕事でも日常でも、「筋は通ってるはずなのに伝わらない」とか、「そもそもこの問題って解ける前提で考えていいのか?」みたいな行き詰まりが続くことがあります。自分もそこで何度も迷ってきたのですが、この本を読んで、論理そのものの“前提”を見直すだけで状況の見え方がかなり変わると感じました。 印象的だったのは、まず「解のない問題もある」という視点です。ギリシャの三大難問を例に、“努力すれば必ず答えに届く”という前提がそもそも幻想だったと突きつけられる。仕事の課題にも同じ構造があるとはっきり気づけて、無駄に自分を責める時間が減りました。また、古代中国の説得術の話もおもしろくて、論破よりも「相手の内心の欲求に合わせて言い方を変える」ことの方が、実際の場面ではよほど効くんだよな…と、妙に腑に落ちました。 さらに、「存在すること」と「解けること」を分けて考える姿勢も、この本が教えてくれる大事なポイントです。ガウスやガロアの例を通じて、理屈として“ある”とわかっても、手続きとして“できない”ことがある。その区別を持っておくと、議論や意思決定の場で混乱しにくくなる感じがあります。 論理の扱い方を、仕事の現場レベルで見直したい人に刺さる本だと思います。自分と同じように、“考えているのに前に進まない”という感覚を抱えている人には、けっこう効くはずです。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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