
散歩哲学 よく歩き、よく考える (ハヤカワ新書)
島田 雅彦
早川書房 / 2024-02-21
この本について
最近、仕事の予定に追われすぎて、気づいたら一日が「誰かに使われた時間」で終わってしまうことがありませんか。家に帰っても頭がざわざわして、休んでいるのか考えているのか自分でもよく分からないまま寝落ちする…僕はまさにこのパターンでした。 そんなときに読んだ「散歩哲学」は、何かを成し遂げるための本というより、「暇と退屈を自分のものに戻す」という発想をくれました。散歩は暇つぶしではなく、自分を取り戻す最初の行動だ、と言い切るあたりが妙に腑に落ちます。歩いているときに勝手に浮かんでくる雑多な思考も、ぼんやりしたままの気配も、それ自体が意外とクリエイティブなんだと認めてくれる感じがあるんです。読書も散歩も「世界を読む行為」という捉え方は、忙しさで固まった頭がゆるむ感覚がありました。 そしてもう一つ刺さったのは、移動する自由や、匿名のまま街を歩く感覚を大事にしているところです。誰の役にも立たない時間を抱え込むのは案外難しいけれど、そこにこそ自分の視点が育つ余白がある。気宇壮大なことを考える余裕なんて最近ないな…と思っていた僕には、ちょうどいい距離感で背中を押してくれました。 忙しいけれど、せめて思考だけは誰にも支配されたくない人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
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