
悪いことはなぜ楽しいのか (ちくまプリマー新書)
戸谷洋志
筑摩書房 / 20240607
この本について
自分の中にある黒い感情に気づいたとき、ちょっと嫌な気持ちになりますよね。嫉妬とか、つい他人の失敗を願ってしまう瞬間とか。頭ではよくないと分かっているのに、感情は勝手に湧いてくる。そのせいで「自分って大丈夫か」とモヤモヤしてしまう。僕もずっとその正体を言語化できずにいました。 この本は、そういう感情を「良い・悪い」で切り捨てず、どうして生まれるのかを一度立ち止まって考えさせてくれます。ショーペンハウアーが言う“悪意はエゴイズムと別物”という視点は、嫉妬で自分を嫌いになっていた気持ちを少し冷静にしてくれましたし、カントが語る「自分も他者と同じく道具にしてはいけない」という考え方は、自罰的になりがちなときのブレーキになります。さらに、空気を読むことでいつの間にか自分が「交換可能な誰か」になってしまう、というハイデガーの話は、日常のふとした場面で思い出すことが多かったです。 哲学の本と聞くと身構えるかもしれませんが、ここにあるのは難しい理屈ではなく、僕たちが普段ぼんやり抱えている「なんでこんな気持ちになるんだろう」という疑問に対する、ちょっと落ち着いた視点です。自分の感情の扱い方を、もう一段深いところで理解したい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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