
反教育論 猿の思考から超猿の思考へ (講談社現代新書)
泉谷閑示
講談社 / 2013-02-20
この本について
生き方に迷う時って、そもそも「なぜこうしなきゃいけないのか」という問い自体を口にしづらい空気がありますよね。学校も仕事も、気づけば「みんなそうしてるから」で流されて、でも心の底では腑に落ちていない。僕自身、そこにずっとモヤモヤしてきました。 この本の面白いところは、そんな問いを封じ込めてきた背景を一段深いところから扱っている点です。たとえば、人間の賢さの核心に「欺瞞」があるという視点はショックだけど、同時に、人間の複雑さや創造性がどこから来ているのかが腑に落ちる。また、「失敗や愚かさの中にしか本当の経験は芽生えない」という指摘を読むと、効率ばかり求めて空回りしていた自分を少し許せるようになりました。そして、世間の“善意”が自分の選択を縛っていたことにも気づかされます。恐れよりも、美や愛の方に従うという感覚は、静かだけど強い力があります。 「普通の道を歩けと言われるたびに息が詰まる人」にとって、この本は少しだけ呼吸がしやすくなる一冊だと思います。自分の中のサル的な部分とオオカミ的な部分をどう折り合いをつけるのか。その過程を考えるだけでも、日々の選択の景色が変わってきます。
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