
おとなの進路教室。 (河出文庫)
山田ズーニー
河出書房新社 / 2012-04-04
この本について
仕事のことを考えるとき、つい「やりたいことが見つからない」と同じ場所で立ち止まってしまうことがあります。内側ばかり覗き込んで、ますます自分がわからなくなる感じ。僕も何度もそこで足が止まりました。そんなときに読むと、少し呼吸が戻るのが『おとなの進路教室。』でした。 この本が効くのは、「自分の軸を探す」のではなく、「自分がどこに立っているか」を確かめるところから始めてくれる点です。いきなり未来を描こうとせず、まず目の前の一人に何を届けられるか、そこから道がにじみ出てくるという考え方がすっと入ってきます。また、表現することの怖さを大げさに扱わず、それでも外に向けて出してみることでしか、自分の輪郭は立ち上がらないという現実的な視点がありがたい。自分の中だけで回さず、他者とのやり取りの中でやりたいことが形になる、という流れも納得感があります。 結局のところ、未来の大きな答えより、今日どこに立ってどう振る舞うか。その積み重ねでしか進路は見えてこないんだと思わせてくれる本です。いまの自分のままで動き出すしかない、と背中を軽く押してくれます。 「やりたいこと探しに疲れたけれど、ちゃんと働いて生きていきたい人」に特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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