
異邦人
原田 マハ
PHP研究所 / 2018-03-08
この本について
仕事でも人間関係でも、自分の立ち位置がよく分からなくなる瞬間ってありますよね。誰かの役に立ちたいと思う一方で、何者にも縛られたくない気持ちもある。そんな揺れの中で、ふと「わたしはどこに属しているんだろう」とぼんやり考えてしまうことがあります。 『異邦人』を読むと、その迷いが少しだけ整理されます。読者が保存していた場面には、「作品は誰のものでもなく、ただ巡っていく存在だ」という視点や、「いままでも、これからも、誰のもんにもならへん」という京都の言葉がありました。これは、作品だけじゃなく、人も同じじゃないかと思わせてくれるんですよね。誰かの期待に応えるために形を変える必要はなくて、関係はあくまで“縁あって暫く交わるもの”くらいの距離でいいんだと、少し呼吸が軽くなります。 もう一つ刺さるのは、異文化のまなざしにさらされたときの揺れです。舞妓の踊りを見せる場面の、優越感と違和感が混ざったような空気。自信とも不安とも言い切れない感情を、言葉にしてくれた気がしました。自分の文化や職業や立場に対する“よそゆきの誇り”と“ほんとうの自分”の差分が、じわっと浮かび上がります。 他人にどう見られるか気になりつつも、本当は自分の軸を探したい人に刺さる一冊です。読後、誰かの所有物じゃない自分を、少しだけ好きになれると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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