
なぜ生きる意味が感じられないのか
泉谷閑示
笠間書院 / 20220927
この本について
なんとなく空虚で、気持ちが動かない日ってありますよね。やるべきことは進んでいるし、大きな不満があるわけでもないのに、どこか自分が薄まっていくような感覚がある。これって怠けでも性格でもなく、「頭」が効率で全部を判断しようとする時代では、誰でもそうなりやすいんだと思います。 泉谷さんの『なぜ生きる意味が感じられないのか』は、この空虚さを「気の持ちよう」で片づけず、頭と心のズレとして丁寧に見ていきます。たとえば「面倒くさい」という気分が実は頭の損得勘定から生まれていることに気づくと、趣味や対話のような“手間のかかる楽しさ”がなぜ自分を救ってくれるのかが腑に落ちてくる。あるいは、不安が未来予測シミュレーションの暴走だと理解すると、自分を責め続ける悪循環から少し距離が取れるようになる。さらに、ペシミズムが自分に向きすぎて泥沼化している状態を言語化してくれるので、「今どこにいるのか」が見える安心感もあります。 一言でいえば、自分の内側で何が起きているのかを“頭の理屈ではなく、実感として”捉え直したい人に刺さる本です。生きる意味を直接教えてくれるわけではないけれど、空虚さの正体がつかめるだけで、日々の景色が少しずつ変わっていくはずです。
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