
解剖学はおもしろい
上野正彦
この本について
最近、自分の体で起きていることがよくわからなくて戸惑う瞬間がありませんか。疲れが抜けないとか、なぜかトイレが近い日があるとか、気持ちが沈んでいるのに人前では明るく振る舞ってしまうとか。そんな身近だけど説明しづらい感覚に、うっすらモヤモヤが残ることがあると思います。 『解剖学はおもしろい』を読んで感じたのは、「体の仕組みを知ることが、そのモヤモヤの正体を照らしてくれる」ということでした。たとえば寒い日に尿意が増えるのも、疲れたときに深呼吸が効くのも、妊婦さんが肩で呼吸するようになるのも、すべて身体の構造と働きの“理屈”がそこにある。さらに、涙が頬を伝う仕組みや、立ちっぱなしでしんどいときに足を上げると楽になる理由など、生活の中で起きている小さな謎が、丁寧にほどけていきます。 生き物としての自分を知ると、無理に気合でなんとかしようとせず、体に合わせた選択が少しだけ上手になります。著者の語り口は医学の専門書のような距離感ではなく、人が迷うリアルな場面に寄り添うような柔らかさがあって、どんな人にもすっと入ってきます。 自分のコンディションの理由を“感覚まかせ”にしてきた人ほど、静かに効いてくる一冊です。こんな人に刺さると思います。体のサインをもう少し理解できるようになりたい人。
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