
前向きに生きるなんてばかばかしい 脳科学で心のコリをほぐす本
黒川伊保子
マガジンハウス / 2018-04-12
この本について
最近、「前向きでいなきゃ」とか「失敗したら終わり」とか、自分でもよくわからない基準に振り回されている気がすることってありませんか。私もまさにそのタイプで、気づけば“正しいはずのルート”にしがみついて、脳みそがずっと緊張している感じがありました。そんなときに読んだのが、この本でした。 効いたのは、まず「失敗の扱い方」がまるで違うところ。著者が紹介するイタリアの感覚では、失敗は“経験が増えて安全になるイベント”で、むしろ途中でやめるほうがもったいない。仕事でミスすると落ち込んで動けなくなる私には、この視点の転換がかなり救いでした。また、“脳が立ち止まりたがっているサイン”に気づくという話も、妙に腹落ちしました。やる気が出ない日を「怠け」と切り捨てるんじゃなくて、脳のメンテ時間として扱っていいと思えたのは大きいです。さらに「人に好かれようとしすぎると、誰の心にも残らない」というくだりは、いい人でいようとして迷子になりがちな人には刺さるはずです。 全体として、この本は“前向きになれ”と押してこないところがいいんですよね。むしろ、今の自分の感覚や直感を無視しすぎてないか、そっと問い直してくれる。仕事でも子育てでも、日々いっぱいいっぱいで、「自分の声」がどこかに消えた気がしている人に向いていると思います。
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