
新解釈 コーポレートファイナンス理論――「企業価値を拡大すべき」って本当ですか?
宮川 壽夫
ダイヤモンド社 / 2022-10-04
この本について
仕事で財務指標を見るたびに、「結局ROEを上げればいいって話なの?」とか「株主価値って言われても、現場の意思決定とどうつながるんだろう…」みたいなモヤモヤが消えないまま時間だけが過ぎていくことがあります。僕もずっとそのあたりが腹落ちせず、数字を追いながらもどこか割り切れない気持ちを抱えていました。 この本は、そういう“わかったようでわかってない”領域を丁寧にほぐしてくれます。たとえば、ROEを指標として重視しすぎると、新しい事業に踏み出せなくなる理由を理論的に示してくれるし、「企業は最低限どれくらい儲けるべきなのか」を資本コストの視点で説明してくれるおかげで、利益目標の根拠を現場レベルで考え直せるようになります。また、配当や自社株買いがエージェンシーコストの調整弁になるという話も、単なる“株主還元”ではない文脈として理解できて、自分の中でようやく線がつながりました。 読み進めるほど、財務指標が“株主がうるさいから追う数字”ではなく、“意思決定の質を上げるための基準”として見えてくるのがこの本の効用だと思います。特に、事業のリスクをどう判断するかや、WACCと個別案件の関係を扱う章は、日々のプロジェクト判断にそのまま持ち込める感覚がありました。 数字に振り回されるのが苦手なのに、仕事では避けて通れない…という人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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